福岡県立大准教授で社会学者の岡本雅享さん(島根県出身)が「出雲を原郷とする人たち」(藤原書店)を刊行した。
島根県の「出雲」をルーツに持つ各地を訪ね歩き、歴史的、文化的関わりを探る。富山県内の神社や遺跡も登場する。
出雲という地名や出雲神社は全国に多数存在する。岡本さんは、これらを出雲から移り住んだ人々が残した足跡と捉え、島根半島を中心に発達した海上交通と出雲文化の広がりを関連づけて検証した。「越中国」編では、出雲からの移住者が創建したと伝わる熊野神社(富山市婦中町友坂)の歴史をひもとき、出雲と共通の特徴を示す四隅突出型墳丘墓・杉谷4号墳(同市杉谷)を地元郷土史家の声を交えながら紹介している。
山陰中央新報(島根)、新潟日報の連載をまとめた。