越境する出雲学――浮かび上がるもうひとつの日本

序 章 全国〝出雲〟再発見の旅

1 出雲の中の古志――古代北陸からの移住を刻む地名

2 日本の成り立ちに関わる出雲の謎

3 地名や神社で掘り起こす隠れた列島史

4 謎の神? ミホススミ――分断された日本海交流圏を結び直す鍵

 

第1章 大和神話との矛盾から解く列島の出雲世界

1 記紀神話における出雲の謎

2 国を譲らない大国主――出雲神話で迫る史実

3 『出雲国風土記』の世界観で見る列島古代史

 

第2章 出雲を原郷とする人たちを探す鍵──地名や神社で辿る列島移住史

1 出自を刻んだ地名や苗字

2 人と共に移った神々

3 神話・伝承と考古学の成果

 

第3章 国引き神話と新羅・高志

1 国引き神話の世界――北ツ海の交流と往来

2 出雲から越前岬へ

 

第4章 能登・越中・越後の出雲を追って

1 外浦航路から邑知潟地溝帯へ――能登における出雲

2 越中から佐渡・越後へ――出雲系熊野神社の道

3 出雲地名が最も多い新潟県

4 青潮の道が生み出した共通文化

 

第5章 沿岸から内陸へ──越後から会津・北関東への道

1 東山道・甲州街道説に戸惑う――出雲と諏訪の関係

2 会津――古代出雲文化の北限

3 越後から北関東への道

4 北関東に広がる出雲世界

 

第6章 瀬戸内と関門海峡を渡って

1 四国北岸の伊予・讃岐と出雲――瀬戸内海の往来

2 関門海峡をまわり瀬戸内・紀伊水道へ――周防の出雲神社と南紀の出雲崎

3 北部九州に分布する出雲の形跡

 

第7章 出雲と大和──畿内への道

1 出雲の東西とヤマト

2 大和国の出雲

3 出雲の神や人が頻繁に往来する播磨

4 出雲臣が集住した山城国の出雲郷

5 若狭湾から山陰道へ――丹波の中の出雲

 

終章 日本海交流の鍵=ミホススミに光を!

1 見えなくなった? ミホススミ

2 美保関の地主神

3 珠洲岬に鎮座する須須の神

4 出雲・能登以外でのミホススミの祭り

5 信濃・越後でみられる諏訪神との同一神説

6 地域を結んで浮かび上がるミホススミ像

 

おわりに

あとがき