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岩手日報 2014年8月31日 
新刊寸評

 

 日本は島国の単一民族社会―といった意識に対して出雲、エミシ(蝦夷)、クマソの視点から日本人の多様性を解き明かしていく。大和(ヤマト)中心の一元国家観や、同質社会幻想を見直す狙いが込められている。

 第六章「アテルイ復権の軌跡とエミシ意識の覚醒」では、本県を含む東北の歴史や現状が分析される。故郷を卑下することなく、健やかに自己のアイデンティティーを形成してほしいという著者の願いが伝わってくる。

 

水沢市埋蔵文化財調査センターの玄関内に立つアテルイ像
水沢市埋蔵文化財調査センターの玄関内に立つアテルイ像。8世紀末から9世紀初頭、今の東北への版図拡大を狙う大和の侵略と戦ったエミシのリーダー。長らく忘れられていたアテルイの再評価を図る復権運動が20世紀末、東北で起こった。
ヤマト勢力圏の北上(『民族の創出』261頁より)
ヤマト勢力圏の北上(『民族の創出』261頁より)